インフラファンドへの投資 ~当面の安定収入の確保~

投資関係

セミリタイア後に安定した投資収入の確保を、求めている人も多いと思います。
高配当株やREITに加え、インフラファンドも徐々に知名度や規模が大きくなっている市場です。
利回りの高さからイールドハンターの関心も高いと思われます。

本記事では、
・インフラファンドの概観
・REITとの比較
・インフラファンドに投資するメリット、デメリット を説明します。

インフラファンドとは

  • 東証が2015年4月30日、太陽光発電施設などのインフラ施設を投資対象とするインフラファンド市場を創設
  • タカラレーベン・インフラ投資法人が、国内初の上場インフラファンドとして2016年6月に上場。現在以下の7銘柄が上場中
  • 仕組みは、不動産を投資対象とするREITとほぼ同様で、太陽光発電施設等のインフラが投資対象
  • 再生可能エネルギーによる発電設備に投資することから、サステナビリティの観点でも注目されている。

上場インフラファンドの一覧
https://www.jpx.co.jp/equities/products/infrastructure/issues/index.html

コード 銘柄名(投資法人名)投資口価格(円) 分配金
利回り
決算期 時価総額
(百万円)
9281 タカラレーベン・インフラ投資法人110,8006.19% 5月・11月 33,058
9282いちごグリーンインフラ投資法人67,5005.84%6月6,950
9283日本再生可能エネルギーインフラ投資法人105,2006.08%1月・7月 21,103
9284カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人122,7006.11%6月・12月 47,443
9285東京インフラ・エネルギー投資法人96,4006.34%6月・12月 10,711
9286エネクス・インフラ投資法人90,7006.62%11月 31,661
9287ジャパン・インフラファンド投資法人91,7006.41%5月・11月 20,057
日本取引所グループ・ホームページより、2021年12月末時点

REITとの比較

指数予想年間分配金利回り時価総額1日平均売買代金
東証インフラファンド指数6.25%1,710億円7.4億円
東証REIT指数3.53%17.0兆円496億円
日本取引所グループ・ホームページより、2021年12月末時点
  • J-REITと比較すると、まずは分配金利回りが大きく異なります。インカム目的でREITを購入している人も多いと思いますが、圧倒的にインフラファンドの方が高いですね。
  • 一方で、時価総額はREITの100分の1、売買代金も1~2%程度と規模や流動性はまだまだこれからといった水準です。
    (私クラスの投資規模であれば、流動性は問題ありません!)
  • 機関投資家が本格的に投資対象とするには、規模が小さいですが、今後の伸びしろは大きいとも考えられます。

インフラファンド投資のメリット、デメリット

メリット
・高利回りで、ある程度先までの分配金が見込める 
 ⇒ FIT(固定価格買取制度)によって20年は保証されている
・ボラティリティが低い
 ⇒ コロナショック時には株やREIT程下落していない
   (但し、アップサイドも低い)
・他資産との相関が低く、分散効果大
 ⇒ 日射量や固定買取金額に基づいた安定したキャッシュ・フローは、
   景気動向との相関は低い(ない)

デメリット
・FIT終了後のキャッシュフロー
 ⇒ FIT期間(20年)以降のキャッシュフローが不透明
・金利上昇、インフレリスク
 ⇒ 借入コストの上昇、固定買取金額によるインフレ時のリスク

課題
・利益超過分配金の大きさ
 ⇒ 太陽光発電設備は減価償却費が多く、利益超過分配(資本の払い戻し)や
   借入の返済が行われ、資産や純資産額が減少していく。
 ⇒ タカラレーベン・インフラ投資法人の有報等に以下の記載あり。
   「本投資法人は、利益超過分配を抑制するとともに、再投資を重視して
    純利益に基づいた分配金の最大化を目指します。」 
 ⇒ 高利回りの長期的な持続性は見極めが必要

利益超過分配金を考慮した予想分配金利回り

名称   
(インフラ投資法人)
株価
(1/7)
分配金利回り分配金     
(利益超過分配金除く)
利回り     
(利益超過分配金除く)
時価総額 
(百万円) 
決算期  
(月)
タカラレーベン¥110,500¥6,8506.20%¥6,0785.50% 32,968 5,11
カナディアン・ソーラー¥123,100¥7,5006.09%¥6,1064.96% 47,597 6,12
Source:各投資法人のホームページ等
  • タカラレーベンとカナディアンソーラーについて、利益超過分配金を除いた予想分配金利回りを計算してみましたが、利益超過分配金を含めた場合に比べ、1~2割低い水準となりました。
  • その他の銘柄については、もっと大きな割合で減少しています。

最後に

  • インフラファンドは、利回りの高さや他資産との相関の低さ(分散効果)が魅力です。
  • 一方、長期での持続性は見極めが必要で、投資ホライゾンは短期~中期のイメージです。利益超過分配金を除いたベースの利回りを見ていくことが大事だと考えます。
  • 個人的には、利益超過分配金を除いたベースの利回りが高いタカラレーベンとカナディアンソーラーが相対的に魅力度が高いと思っています。
  • 以上、インフラファンド投資を考えている方のご参考になれば幸いです。

Cheers!



*:投資勧誘や特定の商品や銘柄等を推奨することを目的にしたものではありません。
  当ブログを利用して行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
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